心愛さんのSOS ➖ 虐待で保護された子どもが帰宅する前に確認したいこと

 

今年1月、野田市の小学四年生・栗原心愛さんが、SOSを出しながらも虐待の末に亡くなってしまったとみられる事件が起こりました。
船戸結愛ちゃんに続き、児童相談所が一時保護した後に親元に戻した事で子どもが亡くなった点が悔やまれる事件です。

否定は「できる」ようにしないー5歳の女の子に「ゆるして」と書かせていた親

2018-06-08

帰宅後に事件が起こるのを防ぐために必要なのは何でしょうか。

 

罰を与えることでしょうか。

 

行いに対する罰は当然受けるべきなのですが、
もう一つ大変重要なのが、「親の心の健康」が確認されるまでは、家庭という密室・第三者の目の届かない場所に戻さないことです。

 

 

家庭内暴力や児童虐待をしていても、「外では良い人」なのはよくあること

 

家庭外の人の評判は、虐待をしているかいないかを判断する材料として全くあてになりません。

 

今回の事件でも、職場の人や学校の保護者はこう言っています。

「愛想が良い」「腰が低い」

隠れた所で悪事を行えば、直接会っていても気が付きません。
好印象を抱くことすらあります。
裏でどんなに残虐な事を行っていてもです。

 

夫からDVを受けている妻が、外で夫の好評価を聞いて、夫の名誉を守るために自分がされている事を隠さなければと思ったというケースもあります。

 

外の人にはそのくらい家庭で起こっている事は見えないのです。

 

家庭は、人目につかない密室です。

 

親と子の心が健康であると確認されるまで密室に戻さない

 

逮捕されるほどの児童虐待は、人目につく所で起こりません。
家庭という密室・第三者の目の届かない場所で起こります。

 

なので、虐待が起こったと分かったら
密室に戻さないようにしましょう。
そうすれば、繰り返されません。

 

…けれど、子どもは親に愛着を持って生きていきます。
親は成人まで子どもの権利の一部を担っています。

そのために親元に戻すのは理解できます。

 

親がうわべで反省を見せたなら、周りは信じるしかありません。
けれど、外から見て好印象でも、うわべの反省を示しても、全くあてにならない事はすでに述べました。

 

 

ではどうやって戻しても良いと判断できるのか。

それは、
心が健康である
と、確認されることです。

 

心が健康な人は、他人の権利を侵害し尽くす害のある存在とはなりえません。
イライラしたからと他人に危害を加えたりしません。

また、自分が侵害された時に権利を主張出来るようになります。
その時に湧いてくる怒りは正しい怒りです。

 

なので、虐待をした親の元に戻すのであれば、
親子ともに必ずこの状態に近づいてからにする。

それまでに子どもにとって親との時間が必要であれば、第三者の目の届く安全な場所で行う。

 

そうすれば、また虐待が起こりそうになっても親は自分がしてはいけない事をしていると気付けるし(これも親自身の人生のためにとても大事です)子どもも権利を主張できます。

少なくとも、身体で言う所の入院や手術が必要な段階では絶対にいけません。
大量の血を流しながら退院していくのと同じです。

 

では、どのようにして心が健康であると判断できるのでしょうか。

 

心の健康とは何か

 

健康な心とは。

1.命の価値と行動の価値の分離ができ
自分の命、存在、個性、使命を肯定できている。

2.潜在意識がある程度整っており
否定的な思い込みから自由になっている。


3.自分の境界線がわかり、侵害せず・させず
日常生活を送ることができる。

以上です。

 

 

容疑者の父親は、

1について、
証拠の動画があってすら自分のしたことを覚えていないと認めていません。
これは、存在と行動の価値が分離できていないため、行動を自分のしたことだと認めてしまうと存在価値がなくなり生きていけないからです。
罪を認める時にも、健康な心が必要です。

3について、
子どもの意思を認めず執拗に拷問しており、
他者と自分の境界線は完全に壊れています。

この状態で被害者の子どもと密室に入れる判断は
絶対にしてはいけません。

 

 

…それでも外から見ていた父親は、日々の業務をこなして評判も良かったのだから、身体は健康です。

 

世の中には健康診断というものがあります。

 

果たして人は身体の健康だけ診断していれば、それで安心ですか?

 

心の健康にももっと社会の関心が集まる事を願ってしまう、そんな事件でした。

 

虐待で保護された子どもを守るために
親の心の健康が確認されるまで、
家庭という密室に入れて放置しない。

 

 
心が健康な人の特徴として、「自分が侵害された時に権利を主張出来る」と書きましたが、密室に閉じ込められる子どもにその権利は保障されていないのが現状です。
子どもが逃げる権利を持たない社会であってはいけないと、強く思います。

心愛さんは、母親・学校・親族、周りのどこに訴えても助けられないなら、他の誰に言えば助けてもらえるのか分からなかったでしょう。

子どもから主体的に駆け込める場所を作れないものでしょうか。
そして、そういう場所があるから毎日殴られたりしたならそこに逃げてと、普段から学校などで子どもに伝える。
そうでもしなければ、今のままでは密室で子どもが殺されても、仕方がない状況となっています。

 

この現実は、罪深いと感じざるを得ません。

 

不健康な人がいるのは、仕方のないこと。
であれば、弱者が構造的に守られる社会づくりが望まれます。

 

 

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